元警察本部警察官が教えます!

元警察本部警察官の管理人が警察についてあれこれ書いています。他にも法律、裁判、福祉等についても少々!

職業病色々。『新聞屋、交番、鑑識、介護』

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1、職業病

 本来の意味は、その職に就いているから罹患してしまう病気や症状等を指す言葉です。

 原子力関係施設の職員が被ばくするとか、ずっと立ったまま・座ったままの仕事で腰のヘルニアになる、芸能人や有名人がパニック障害になる等ですね。

 

 しかし、今回私が言っている職業病は、そのような意味合いではなく、

【その職業経験から来る癖、ついついやってしまうこと】

の俗語としての職業病です。

 

 なお、俗語の職業病は、同じ職を経験した者同士でも同じとは限りません。

 人による、個人差が大きく出ると思います。

 

 今回の職業病はあくまでも

【私の場合】

です。

 軽い気持ちでの読み物として読み進めていただけると良いと思います。

 

 

2、新聞屋経験者の職業病

  

 

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<新聞屋に気付く>

 新聞屋(新聞奨学生)経験があると、街中で新聞屋さんを多く見掛けます。

 配達中の新聞屋さんは勿論ですが、配達中じゃないプライベートで居る新聞屋さんであろう人物にも気付きます。

 

 それは乗っている自転車やバイク、服装などから気付きます。

 

 

<ポストの種類を見る>

 民家やアパート等のポストの種類をつい見てしまいます。

 

「それが何?」

と聞かれても、特に何もありませんが。

 

「ここは縦ポ(縦型ポスト)だな!」

「ここの集ポ(集合ポスト)は入れ難そうだな」

と見てしまいます。

 

 

<新聞の折り方を見る>

 ポストのタイプを見てしまうのに関係していますが、新聞屋さんはポストのタイプによって新聞の折り方を変えています。

 ドアに設置されている幅広なドアポストは二つ折り、普通のポストは三つ折り、縦長なポストは四つ折り等々ですね

 

 この折り方をついつい見てしまいます。

 施設等だとポストから新聞を出して、新聞屋経験がない人が折り直すことがあります。

 

 これがとても気になってしまうんですね。

 新聞はキレイに折れる方向が決まっています。

 多くの未経験者は逆に折り曲げているんですよね。

 

 新聞の社名、1面が外側になるように折るのは逆向きなんですね。

 

 

3、交番経験者の職業病

<自転車の施錠設備を見てしまう>

 走っている自転車の施錠設備があるかないかをつい見てしまいます。

 

 交番だと自転車に対して

「盗んだ自転車じゃないかな?」

と観察して、不審点があると職務質問をします。

 

 その際必ず見る部分が施錠設備の有無です。

 元々製品として備わっている施錠設備があるかないかです。

 交番やパトカー経験者だと、退職後でもそれをつい見てしまうんですね。

 

 この辺り職務質問の法的な分類や、何をしていたら一発で職質をされるのか?等に興味がある貴方はこちらも併せてお読み下さい。

 

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<交通違反を見つけてしまう>

 

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 携帯電話やシートベルト未装着、対向車がいるのにハイビームのまま、右左折方法違反等々。

 

 交番やパトカー経験があると交通取り締まりもします。

 

 その頃の癖としてどうしても車だけではなく運転手を見てしまうんですね。

 

 5キロ車の運転をしていれば1件以上は違反者を見つけてしまいます。

 これは恐らく現役時代よりも発見率が高いです。

 やはり多くの運転手さん達は警察を見ると隠すんですね。

 

 

4、鑑識官経験者の職業病

 

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<指紋を見る>

 つい指紋を見てしまいます。

 鑑識官の基本は何だかんだ言っても、結局指紋ですからね。

 

 基本的にどこでも見ます。

 例えば外食する際なら、お店の入口ドア、コップ、食器、テーブル、ガラス等々。

 

 特に目的はないのですが、手持無沙汰にしているとつい指紋を見てしまいます。

 場合によっては指紋の特徴点を探して、目視による指紋鑑定まで始めてしまいます。

 

 

<物の材質を見てしまう>

 これは人による部分が特に大きいかもしれませんが、私の場合は主にコップや食器の材質を見てしまいます。

 

 鑑識官は様々な材質の場所から事件に関係する資料を採取します。

 そして材質事に使う機材も、使う技術や方法も変えています。

 

 紙コップとガラスコップとでは、指紋を採取するための機材も、方法も違うと言うことですね。

 そのため、つい材質を見てしまうんです。

 

 

 

5、介護職経験者の職業病

 

<介護士に気付く>

 これは新聞屋の街中で気付くのと同じなので、省略します。

 

 

<認知症罹患者に気付く>

 街中でも、テレビでも、認知症が進行しているであろう高齢者が映っていると気付きます。

 

 それは表情だったり、言動だったりからです。

「具体的に何が、どう違うの?」

と聞かれてもそれはわかりません。

 

 感覚的に気付くと言う類のモノなので。

 

 これは病気に関するセンシティブな情報ですので、具体的に気付いたテレビでの対象者を言うのは控えておきます。

 

 

<高齢者を見てしまう>

 街中で歩いている高齢者や、高齢者を介助している人を見てしまいます。

 

 歩いている高齢者に対してはただ

「元気だなぁ~」

等と見るだけです。

 

 介助している人に対しては

「あの介助方法・声掛けはないでしょう!」

等と見てしまいます。

 

 付き添い歩行する際の立ち位置、段差のある場所の歩行介助、車椅子の押し方等々ですね。

 

「可哀想に」

と高齢者に同情してしまう場面が多々あります。

 

 私の場合は基本的に、

「介護をしている家族が大変」

と言う目線ではなく、

「下手で危険な介助の中生活させられている高齢者」

と言う目線で見てしまうことが多いです。

 

 この辺りは人による部分が特に大きいと思いますので、敢えてここでも【私の場合は】と強調しておきます。

 

 

<便を見てしまう>

 自分の便の臭いや色、硬さ等の変化にすぐ気付きます。

 

「あれ?今日は何か臭いが違うなぁ~いつも食べない物そんなに食べたっけかな?」

等と考えを巡らせてしまいます。

 

 仕事では、100名くらい皆が使い得るご利用者の共用トイレで、尿でも、便でも、残り香だけで直近で誰が入っていたか言い当てられますからね。

 

 

6、最後に

 記事を書いていて思ったことがあります。

 

【職業病って、普通の人では気付かなかったり、気にしていたらストレスになってしまうようなことを、ストレスなくやってしまうこと】

なのかもしれませんね。

 

 ポストの種類、新聞の折り方、自転車の鍵の有無、指紋の有無、材質確認、介助方法、便の状況・・・・

 

「こんなこと全部一々気にしていたら生きていけないよ!」

と言われそうですもんね。

 

 それら全部をストレスなく、自然にやっている私も、自身が経験したことのない接客業出身者

「あの店員の言動は・・・云々」

を聞いていると

「そんなこと気にしてお店を選んでいたら生きるの疲れない?」

と思いますからね。

 

 職業病って何か、凄いし、面白いですね。

 

 

 

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