元警察本部警察官が教えます!

元警察本部警察官の管理人が警察についてあれこれ書いています。他にも法律、裁判、福祉等についても少々!

職務質問をすることを警察官はどう思っているの?

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はじめに

 職務質問についての法令解釈記事を書いています。

 

www.policefuta.work

 

 とても多くの人に読んでいただいているのですが、少し残念なことに、キチンと記事の内容を読まずに、内容を理解されない方が多くいらっしゃるようです。

 

 

 ただの法令解釈であって、私は別に警察擁護や職務質問推奨をしているわけではありません。

 しかし、そのように私の考えまで勝手に決めつけられてしまうのがとても悲しく思います。

 

 そこで、私と、私が知る限りの警察官の話限定ですが、警察官が職務質問を行う際にどのようなことを考え、どのように思っているのか?

 本音で語ります。

 

 

 

1、職務質問に対する世間の声

 職務質問とは、簡単に言うと、

【何か犯罪を犯していると思われる者、又は犯罪について何か知っていると思われる者を停止させて、質問することができる警察官の職務上の権限】

です。

 

 たまに勘違いする人がいますが、職業を質問する権限ではありませんよ!

 この更に詳しい事に関しては先程も紹介した記事を読んで下さい。

 

 これに対して世間の声の多くは

「職務質問って任意なんでしょ?なら断る」

「どうせノルマがあるんでしょ?だから協力しない」

「職質うざい」

「職質する時の警察の本音は、よしよしカモが来た!ノルマ達成!でしょ?」

等々。

 

 要は職質はウザい行為で、ノルマ達成のための行為で、市民をカモと思いながらウキウキして行っている行為。

 

 世間は職質をする警察官に対してこのように思っているようですね。

 

 ハッキリと言い切りますが、全く違います。

 ノルマに関しては既に記事を書いていますので、こちらをお読みください。

 www.policefuta.work

 

 

 

2、職務質問をする時の警察官の本音

 では、世間の声がいかに違うのかをこれから語っていきます。

 

 とはいえ、警察官にも様々な人がいます、

 一律に

「皆このように思っている!」

とは言えません。

 

 そのため、幾つかタイプ別に分けます。

 

 

<普通の警察官>

「怪しいかな?くらいの部分があれば職質するかな」

概ねこのくらいの感覚です。

 

「怪しいかな?」

くらいの部分とは、具体的に言うと、

【自転車の元々の施錠設備がない自転車に乗っている】

くらいの状態ですね。

 

 このような 別買いのワイヤーロックを持っているかどうかは関係ありません。

 

「施錠設備ならあるじゃん」

と別買いのワイヤーロックを見せてくる人がいるのですが、怪しいのはそれを持っているか、持っていないかではありません。

 

 この辺りについての詳細はこちらの記事をお読みください。www.policefuta.work

 

 

<職質苦手な警察官>

「嫌だなぁ~声掛けたくないな。どう言って停止を求めようかな」

 私が新人の時はこのタイプでした。

 

 要はこちらが相手を疑う行為なので、最初から相手は不快で警戒心を持っています。

 それがわかるので、何て声を掛ければ良いのかわからず、嫌で嫌で仕方がないんですね。

 

 態度は横柄じゃないけれど、

「なんで私は職質されたんですか?」

と聞いても明確に説明しないまま、変に誤魔化したり、聞こえない振りをして職質を続ける警察官はいませんか?

 

 それは恐らくこのタイプです。

 慣れていれば変に隠さず、怪しいと感じた部分をキチンと説明して協力をしてもらえば良いだけです。

 

 しかし、職質が苦手で嫌いな警察官は理由説明を言って良いのか判断が付かないまま停止させているので、説明しないで誤魔化そうとするんですね。

 

 要は職質のやり方が自分の中で定まっていない上に、感情的に嫌いだからそうなるんですね。

 

 

<職質好きな警察官>

 このタイプにも幾つか違うタイプがいるのですが、横柄な態度をするのはこのタイプです。

 

 私は職質好きな警察官が嫌いでしたし、考え方が合わずに対立していた経験もあります。

 

【喧嘩が好き】

 このタイプは他の警察官からも

「変人。」

「こいつに目を付けられた市民は可哀想」

と言われているタイプです。

 

 とにかく、理不尽な吹っ掛けでも何でもします。

 市民が激怒し、歯向ってくるのを心の中で嘲笑うのが大好きなんですね。

 

 そのため、わざとドンドン怒るように煽ります。

 このタイプは交通取り締まり等では

◎、停止線を1センチ越えていた

◎、速度を1キロ以上オーバーしていた

なんてことでも検挙します。

 

 普通はそんなことはしませんし、交通課も

「そんな取り締まりは止めてくれ」

と嘆くほどです。

 

 

【警察の権限に従え】

 自動車警ら隊や機動捜査隊、それらの出身者の一部にいる人達です。

 誤解がないように言っておきますが、彼らの大半はキチンとした紳士的な職務質問をします。

 

 しかし、あくまでも一部ですが、確実に存在します。

 私が対立していたのはこの連中です。

 

「市民=何かしらやってる犯罪者」

「協力者=攻略が難しい何とかして検挙したい検挙目標」

「非協力的な人=ゴミ。世間に見られなければ何をしても良い対象」

「市民は権限に従え」

概ねこんな感覚を持っている警察官ですね。

 

 異動によってこのような連中が上司になり仕事をしていた時期があります。

 その時の内容はこちら。
www.policefuta.work

 

 

 

3、最後に

 全体的に見ていただければ分かると思いますが、基本的に警察官は職務質問を積極的にしたいとは思っていないんですね。

 

 普通の警察官も怪しい部分がないと基本的には職務質問はしたくないんですからね。

 

 職務質問をやりたいと思っているのは、一部の好戦的な【輩(やから)】と呼ばれるような警察官だけです。

 

 あとは、自分では職質をしない上の立場の人間も

「職質!職質!」

と口だけ言いますね。

 

 大半の警察官は職質が好きではないので、やらされている感を持っています。

 

 だから、市民から推測による変な言いがかりをつけられたり、反抗的な態度をされると余計にイライラしたり、ムキになりやすいんですね。

 

 警察官も人間ですから。

 

 

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