警察学校で行う法律の勉強。授業内容を大公開!
- 1、警察学校での勉強
- 2、憲法
- 3、警察法
- 4、警察官職務執行法
- <第二条 質問>
- <第三条 保護>
- <第四条、五条>
- <第六条 立ち入り>
- <第七条 武器の使用>
- 5、刑法・刑事訴訟法
- 6、クラス別討議
- 7、最後に
- 【記事の紹介・拡散について】
1、警察学校での勉強
警察学校の厳しさは体力的な訓練にばかり目が行きがちです。
しかし、勉強も訓練に負けずとも劣りません。
そこで、今回は警察学校で習う勉強のうち、法律教科について少し細かく書いて行きたいと思います。
実際に
「警察官になるために法学部へ進学する!」
と考える人も多く、警察と法律を関連付けて考える人も多いですよね。
なお、警察学校での生活、訓練、勉強、環境等全般。
警察学校入校前にやっておくと良いと思うこと等に興味がある場合は
をお読み下さい。
ちなみに、私は警察学校は10年以上前のことで、当時と変わっている可能性もありますので、その差異に関してはあらかじめご了承下さい。
2、憲法
最初から申し訳ないのですが、全く覚えていません。
確かに授業を受けた記憶はあります。
初任教養部長(教官の上司の上司)が授業をしていたことも覚えています。
「男クラスの授業は気を使わなくて楽しくて良いなぁ」
と毎回笑顔で言っていたことも覚えています。
でも中身は何にも・・・すみません。
3、警察法
授業数はかなり少ない教科ですが、これは覚えています。
その内容は警察法第二条第一項の丸暗記です。
【警察法第二条第一項】
警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。
これを丸暗記し、丸々書き出せれば試験は問題なかったかと記憶しています。
その程度の教科です。
4、警察官職務執行法
これはかなり重要な授業です。
たった8条の法律です。
しかも最初の1条は「濫用しちゃダメだよ!」ですし、最後の8条は「警察官はこの法律に従いなさい」と言う内容なので、実質6条です。
警察官職務執行法は警察官に特別認めている行政権限を規定した法律です。
本記事では
「勉強としてどんなことを勉強するか?」
の紹介です。
各権限をもっと知りたい貴方はこちらをお読みください。
この教科は暗記と言うよりも、理解を問われます。
<第二条 質問>
いわゆる職務質問の法的な根拠です。
ここでは、職務質問について
◎ 誰に、どのような要件で行うことが出来るか?
◎ 相手に不利な状況の時にはどのような措置を取れるか?
◎ 判例上どのような行為が許されるか?
◎ 停止させる権限の法的根拠は警察官職務執行法以外に何があるか?
等を試験で問われます。
職質について「任意なの?強制なの?」と言う疑問を持っている人は、こちらの記事をどうぞ
<第三条 保護>
泥酔者や傷病者を保護する場合についてです。
◎ どのような者を、どこに保護するのか?
◎ 泥酔、酩酊の違いは?
等を問われた記憶があります。
<第四条、五条>
これは特に授業をした記憶がありません。
そのためあまり意識しなくて良いと思います。
行政書士等の行政法を扱う法律家を勉強するなら必須の部分ですが、警察的にはそれほど意識して行使することはないかと思います。
一応紹介しておくと、レッカー移動等の根拠を書いています。
<第六条 立ち入り>
人を救護するときにガラスを割る等をして邸宅等へ侵入するための権限です。
◎ どのような状況・要件で、どこに侵入することができるか?
聞かれることは主にこれだったかと記憶しています。
<第七条 武器の使用>
武器全般なのですが、授業では主に拳銃使用についてだったと記憶しています。
この部分は条文を覚えると言うよりも、擬律判断を問われたと記憶しています。
つまり、
◎ このようなケースではどの武器を使う?拳銃はオッケー?
のような感じです。
「もしもお前が一人の時に、ボブサップが犯罪を犯し向かってきた。この場合にはどうする?」
なんて聞かれた記憶があります。
ボブサップさんがテレビで活躍されていた時代だったので・・・時代を感じますね。
5、刑法・刑事訴訟法
確かこれらは一緒に一つの教科でやった記憶があります。
刑法は
◎ 窃盗罪、強盗罪、殺人罪等、誰でも知っているような犯罪の条文丸暗記
◎ 各種犯罪の既遂時期
刑事訴訟法は
◎ 逮捕の種類(通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕)
◎ 各逮捕形態別の特徴・要件
これらの暗記です。
6、クラス別討議
法の種類に関係なくクラスで討議するケーススタディの授業です。
記憶にある内容だと
◎ ある事例で、それは窃盗罪と占有離脱物横領罪どっちになる?
◎ ある事例で、それはレッカー移動出来る?出来ない?
◎ この事例の場合、警察官はどのような対応をすべき?
このような感じだったと記憶しています。
警察時代よりもキチンと法を学んだ今だと簡単ですが、当時はかなり難しいと感じていた記憶があります。
7、最後に
いかがでしたか?
要は全般的に暗記です。
しかし、こちらの記事でも説明している通り、法学は暗記の学問ではありません。
そのため、警察学校で習う法律は、間違っても法学と呼べるものではありません。
警察官は法律の専門家ではありません。
ただ試験のために暗記しているだけなので、その大半は記憶にすら残りません。
実際に警察官が法律家の資格試験を受験したら大惨敗します。
法律家資格の中でも入門・基礎的位置付けの行政書士試験60問中、理解して解ける問題が3~5問あれば、警察官だとかなり上位レベルです。
そのくらい素人です。
逆を返せば、警察官になるために法学を学ぶ必要はないと言うことですね。
これを、どう捉えるかは貴方次第です!!!
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