元警察本部警察官が教えます!

元警察本部警察官の管理人が警察についてあれこれ書いています。他にも法律、裁判、福祉等についても少々!

隠れて交通取り締まりをする警察。警察官は本音ではどう思っているのか?

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1、代表的な警察の言い分

 警察官は隠れて取り締まりをしていることが多いです。

 

 それは、

◎、常に取り締まりをすることは不可能

◎、警察がいるか、いないかを見て、違反をする人が増えるから

です。

 

 常に隠れて取り締まりをしていると世間に周知されていれば、いつ、どこで警察官が取り締まりをしているか分かりません。

 

 そのため、警察官が見えなくても警戒して、安全に運転することを期待しています。

 

 これは一応警察の大義名分です。

 

 しかし、交通取り締まりと職質に関しては不快に思う人も多く

「どうせノルマのためでしょ?」

となりがちです。

 

 それに対して警察官は

「ノルマなんてありませんから」

と答えます。

 

 そこで、警察にノルマはあるのか?についてこちらも併せてお読みください。

 

www.policefuta.work

 

 

 

2、批判する人の言い分

 そもそも交通取り締まりは事故防止のために行っているはず。

 そして、警察官が見えていればみんな違反をしない。

 

 そのため、

「事故防止のためなら見えるように取り締まりはすべきだ!」

 

「見えるように取り締まりをしていても、それでも違反をするような悪質な運転手だけ検挙すれば良いだろう!」

と言う趣旨が多いです。

 

 

 

3、警察官は見えるように立っている

「見えるように立っていろ!」

と言う意見が多いのですが、実は警察官は見えるようにも立っています。

 

 主に事故が多い場所や、大きな交差点等ですね。

 

 つまり、見えるように立ってもいるし、見えないようにも立っている。

 両方を使い分けているということです。

 

 しかし、

「警察官は常に見えないように隠れている」

と批判されます。

 

 何故でしょうか?

 その理由は単純です。

 

「見えるように立て!」

と言っている人達の多くは、見えるように立っている警察官の姿が見えていないからです。

 

 つまり、隠れている警察官しか見えていないんですね。

 

「警察の取り締まりは隠れてするモノ」

との固定概念があるため、見えるように立っている警察官が目に入っても、取り締まりをしていると認識しないわけですね。

 

 そのため、見えるように立っている取り締まりとか、交通安全のためと頭の中で繋がっていないわけです。

 

 人間の脳って優秀で、強く意識している存在しか見えないんですよね。 

 

 

 

4、元警察本部警察官の本音

 世間で多くやり取りされている状況を説明してきました。

 ここからは元警察官の私個人の勝手な意見です。

 

<警察側に対しての本音>

 正直隠れて取り締まりをする方法自体は容認できます。

 

 しかし、その大義名分を言い訳に、何も考えていない警察官が多いのが実情ですので、そこは不快です。

 

 交通違反者に注意喚起や違反をしないように促すことも目的なら、淡々と検挙するのではなく、キチンと対話すべきです。

 

 それをせず、

「文句を言ってくる違反者は無視して、粛々と手続きを踏んで、早く行かせてしまえ!」

と指導されることすらあります。

 

 こんなの言語道断で、それこそ

「ノルマしか見えていないのかよ!」 

と思ってしまいます。

 

 キチンと対話して、

 違反者がただ単に感情をぶつけたいなら、受け止めれば良いだけです。 

 感情にモヤモヤを持ったまま行かせてしまったら、それこそ事故を起こします。

 イラついていると運転が荒くなりますからね。

 

 その違反者のイライラを落ち着かせないで、

「何が事故防止のための取り締まりだ!?」

と感じてしまいます。

 

 違反者が感情をぶつけたいだけではなく、キチンと意見を言ってくるなら受け止めて、具体的に行動すべきです。

 

「標識が立木で見えなくなっている」

「道路表記が消えてしまっている」

「標識だけではなく、カーブミラー等も欲しい」

等々。

 

 これらはキチンと聞きいれるべき貴重な意見です。

 警察だって、全ての標識等の劣化までは把握できません。

 そのため、普段からその場所を通る人からの意見はとても貴重な情報です。

 

 その意見を聞き入れず、情報を上げる等の具体的な行動をしない警察官はやはり

「ノルマしか考えていないのか!?」

と言う話です。

 

 その辺りをキチンとしていれば、感情的になっている違反者に最後別れ際握手を求められます。

 

 実際に私はキチンとこの辺りしていたので、毎回多くの違反者から握手を求められていました。

 

 中には最初は大激怒していたのに、涙を流して握手を求めてきた成人男性もいました。

 

 もう15年くらい前の話ですが、今でもその場所や要望内容は鮮明に覚えています。

 その場所での取り締まり理由も覚えています。

 

トラックの左折時に、女子中学生が巻き込まれての死亡事故が発生していたから》

です。

 

 それらの要望は実際に全ての意見報告書にして交通課等に上げていました。

 

 どこかで揉み消されないように、報告書だけではなく、全て警察の情報共有ネットワークにも上げていました。

 

 キチンと交通安全を考え、取り締まりをするならこの程度は普通だと思います。

 

 私は交通部門の仕事が大嫌いで、

「あぁ~何か理不尽に感じちゃって、やりたくないなぁ~」

といつも思っていた私ですら、ここまではしていました。

 

 どれだけの警察官がキチンと違反者と向き合い、対話しているのでしょうか?

 この部分に関してはとても疑問があります。

 

 

<見えるように取り締まりをしろと言う人達に対しての意見>

 その大半は感情論だと思います。

 そもそも文句を言いたいだけか、警察嫌いなだけかと思います。

 

 つまり、根本的にキチンとした議論以前の問題です。

 言い方は悪いかもしれませんが、いわゆる論外と言うやつですね。

 

 だって、要望通りにキチンと見えるように立っていても。

 要望が通っていても。

 それは見えていないんですから、文句を言いたいだけですよね?

 

 更に、その多くの場合は視野が狭い人が多いように感じます。

 

 彼らの多くは

「全ての地域で隠れて取り締まりしていては意味がない」

のような意見を言っています。

 

 本人にその気がなくても、

【警察は】

と表現し、ネットで意見を表するということは、そう言う意味になります。

 

 しかし、そのように言っている人達の大半は、全ての地域の状況をそもそも見ていません。

 自分の地域や土地勘のある地域しか見ないで意見しています。

 

 都道府県や地域、によって交通事情は全く違います。

 

 それなのに、自分の周囲の環境だけを見て

「隠れて取り締まりは全く意味がない」

は違うと思います。

 

 自分の地域の特性を見て、自分の地域を管轄している警察に対しての意見なら納得です。

 そして、その意見を地元の警察は受け止めるべきです。

 

 それなら分かります。

 そうじゃないから、平行線を辿るのかと思います。

 

 運転が荒いことで有名な名古屋走りの地域茨城県と、東京とでは交通事情が全く違います。

 

 交通状況が地域によって全く違うのに、取り締まりが同じで良いはずがありませんよね?

 

 それなのに、自分の地域だけを見て、

「警察の取り締まりはおかしい」

は視野が狭いですよね?

 

「地元の警察に言って下さい」

と言う話で、全国の人達に同意を求めるのは違うと思います。

 

 

 

5、最後に

 いかがでしたか?

 基本的に交通取り締まりは嫌いな警察官が多いです。

 

 そこで、キチンと対話するのか、出来るだけ関わらないようにとっとと行かせてしまうのか。

 

 隠れて取り締まるか、見えるように取り締まるかの問題ではなく、向き合い方の問題だと私は思います。

 

 私が知っている警察官の中で、交通取り締まりが好きだと言う警察官の多くは口論好きです。

 

 わざと違反者を感情的にさせて、心で

「馬鹿みたい」

笑っている警察官が多いです。

 

 私から言わせれば、それも論外です。

 

 この問題に関しては、

違反者も、警察官も、両方とも人の感情を蔑ろにしすぎ!」

というのが私の本音です。

 

 これらの事実を知り、貴方はどう思いますか?

 

 

  

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