元警察本部警察官が教えます!

元警察本部警察官の管理人が警察についてあれこれ書いています。他にも法律、裁判、福祉等についても少々!

スマホを使うなら知っておかなければならない! 身を守るための設定。

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1、何もしないことは無防備

 鍵を掛けていないまま留守にして、泥棒に入られたらどう思われるでしょうか?

 

 普通は

「無防備すぎるよ!」

「それは泥棒に入られて同然でしょう」

のように言われます。

 

 何故でしょうか?

 これは単純に防犯意識が弱すぎて無防備だからですよね。

 

 

2、スマホの防犯

 では、家の防犯ではなく、スマホの防犯はどうでしょうか?

 スマホにもこの施錠と同等に

「やらないと無防備すぎるよ」

と言われてしまうくらい常識的に知らないといけないことがあります。

 

 それは

【カメラアプリとGPS機能の連動をカットすること】

です。

 

 このように聞くだけで

「あぁ~私は機械が苦手だからダメだ!私には関係ないことだ」

と投げ出してしまう人がいます。

 

 しかし、それでは先ほども言ったように、施錠しないで出かけるのと同じくらい無防備すぎます。

 

 一個一個見れば決して難しいことはありませんので、チャレンジする前から投げ出さないで下さい。

 

 

3、更なる危険

 それに、このくらいのことにチャレンジすら出来ない状態では、

更に大きな危険

に気付くことすらできませんよ。

 

 更に大きな危険の例としては、

◎、貴方のスマホで勝手に買い物をされてしまう

◎、写真・動画等を貴方の知らない所で起動されてしまう

(私生活を知らないうちに撮影される)

◎、全てのアプリを悪意ある他人に使われてしまう

等々が挙げられます。

 

 そして、脅しでも、冗談でもなく

そのような方法が存在します。

 

 5分スマホを他人に自由に扱われたら、この設定をされ得ます。

 

 その設定に気付くためには今回紹介する設定くらいは頑張らないと、気付くことすらできません。

 

 頑張りましょう!

 

 

4、カメラ設定を変更しないと何が起きるの?

 話をカメラアプリに戻しますが、何故この難しい感じの設定がそこまで必要なことなのかを簡単に説明します。

 

 その理由は、これをしないと

【貴方の稼働場所、下手をしたら自宅が不特定多数にバレるから】

です。

 

 気持ち悪いですが、稼働場所が悪用を考えない人に見られても問題はありません。

 しかし、ストーカー等に見られるとかなり厄介です。

 行動時に先回りされる恐れもありますので。

 

 これは何故か?

 スマホの設定上、

写真データには、様々な情報が載っているから

です。

 

 これは撮影した被写体から場所を特定するわけではありません。

 データの部分に載っているんです。

 そしてこのデータの中にはGPSデータも載り得ます。

 

 写真を撮影した場所のGPS座標がそのまま載るんです。

 だからピンポイントで撮影場所が特定されるんです。

 

 要は緯度経度の情報です。

 ネットで検索すれば緯度経度から住所は判明しますからね。

 

 

 そのため、真っ暗闇を撮影しても場所がバレます。

 しかも、機械に疎い人でも方法さえ知っていれば簡単に調べられます。

 それほど誰でも見れるくらい簡単です。

 

 

5、GPS連動の許可

 これはカメラアプリの設定で、GPS機能との連動が許可されているから載ってしまうんです。

 

 そこで、そのようにならないように連動を許可しないように設定を変更しましょう。

 

 なお対策方法としては大きく2つあります。

◎ GPS機能を止めた状態で写真を撮影する。

又は

◎ カメラアプリとGPS機能の連動を許可しない方法

です。

 

 どちらか一方が行えれば問題ありません。

 

 

【au、アンドロイドの場合】

私はこれしか持っていないので、iphone(アイフォン)や、ドコモ、ソフトバンクの人は多少違うかもしれません。

 

<GPS機能を止める方法>

①、設定を開く

※ 特にいじっていなければホーム画面上にアプリとしてあります。

【設定】を押すとこのような画面が開きます。

 

 下にスライドして、下の画像にあるような【位置情報】を探してください。

 

②、位置情報を開く

 【位置情報】をタップすると、下画像のような画面が開くので、設定をOFFにする。

 

 これだけです。

 

 簡易機能がある場合は、下画面のようなところで、【位置情報】をタップするだけでON・OFFの設定が簡単に可能です。

 どちらでも大丈夫です。

 

 

 

<アプリとGPSの連動を止める方法>

①、設定を開く

 【設定】はGPSを止める時と同じ場所です。

 その中から【アプリ】を探してください。

 

②、カメラを開く

  【アプリ】を開くと下の画像のような画面になります。

  その中から【カメラ】をタップして下さい。

 

③、許可を開く

  【カメラ】を開くと下の画像のような画面になります。

  この中から【許可】をタップして開いて下さい。

 

④、位置情報を切る

  【許可】を開くと下のような画面が開きます。

  そこで【位置情報】を切って下さい。

 

 これだけです。

 アプリの連動を切るのは少し複雑かもしれませんね。

 

 

6、最後に

 「機械は苦手」

と思っている人にとっては設定画面を開くだけで嫌になるかもしれません。

 

 しかしこれは、スマホを使用する以上は、無施錠で家を空けるのと同じくらいに常識的に行わなければならないようなことです。

 

 普段からラインとか、メールとかでスマホを使えているなら、一個一個見ながらやれば絶対に貴方には出来ます!

 

 かく言う私はラインやフェイスブック等は一切やっていません。

 そんな人間でも知っていて、設定できるんですから、貴方にも絶対出来ます!

 

 食わず嫌い、やる前から「ダメだ」ではなく、チャレンジしてみて下さい!

 

 そして、

 貴方が親なら子供に指導して下さい。

 貴方がお子さんなら、親に指導して下さい。

 

 

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交番の警察官には何故太っている人が多いのか?

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1、交番の警察官が太る理由

 警察官は全員警察学校を卒業していますので、その時点では太っていません。

 何故なら、警察学校はこんな環境だからです。

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 では、交番では何が原因で太ってしまうのでしょうか?

 それは不摂生です。

 

 不眠不休、暴飲暴食、運動不足、その他不摂生

辺りですね。

 

 これらについて具体的に見て行きましょう。

 

 

 

2、不眠不休の勤務

 交番の勤務は基本的に最低24時間拘束の3交代制です。

(警視庁は4交代で例外)

 

【勤務入りの朝~次の日の朝まで】

となります。

 

 不眠不休としましたが、これは少し大袈裟で常に不眠不休ではありません。

 

 警察官にだって労働基準法は適用されますので、キチンと休憩時間や仮眠時間の設定はされています。

 

 事実、交番によっては毎回勤務事にキチンと休憩や仮眠が摂れます。

 それでも最低24時間拘束の勤務はかなり心身共に疲れ切ります。

 

 しかし、急な事件や通報、交番を訪れる者がいると休憩や仮眠は潰れます。

 実際に24時間以上不眠不休で働き詰めの勤務の時もあります。

 

 特に逮捕事案があると忙しすぎて仮眠はもちろん、休憩も出来ません。

 そして、24時間拘束時間を超えてから、各部署への引き継ぎ作業や報告書の作成等の事務作業を始めます。

 

 そのため、早い人でも実質的に25時間は帰れません。

 私は緊急の呼び出し等ではなく、通常勤務で最長40時間くらい帰れない時もありました。

 

 

 

3、ある勤務日の食事

 長時間労働の上に暴飲暴食です。

 いや、ずっと起きて行動しているからこそ、かもしれませんね。

 

 ある一日の具体的な食事をご紹介します。

 このレベルの食事をほぼ毎日ですからね。

 

<朝食> 

 ギリギリまで寝ていたいので、食べない。

 

 

<昼食>

 出前か仕出し弁当、近所で買う

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 実際によく頼んでいたお店のメニュー写真です。

 

 

<夕食>

 出前か近所で買う

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 これも実際に利用していたお店のメニュー表です。

 基本は大盛です。

 

 私も今は警察官じゃないですし、別にどこの店舗を隠さなくても良いのですが、一応。

 

 

<夜食>

 コンビニで買う。

 

 駅前交番だと隣がコンビニなんてこともよくあります。

 そのため、何だかんだ言ってもコンビニにはよく行きます。

 

 パン、おにぎり、お菓子、スイーツ、ジュース等々、空腹に任せて買いまくります。

 

 

<朝食>

 コンビニかハンバーガー

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 駅前交番だと、これまた近くにマクドナルドがあったりします。

 そのため、勤務終わり前に朝マックを食べる習慣がある交番もあります。

 

 

<その他>

 お菓子

 これら紹介してきた他に、交番にいる間は常に何かお菓子を食べています。

 交番にもよりますが、お菓子代として交番費が徴収されています。

 

 それによって、交番の裏には常にお菓子がある状態でした。

 立ち寄る度に、つい何かしら食べてしまいます。

 

 他の要素抜きにして、この食事部分だけでも太るのがわかりますね。

 

 

 

4、運動不足

 警察学校では命令として無理矢理にでも走らされる環境です。

 

「警察学校ではどのくらいの体力が必要でしょうか?」

と質問されれば、

「とりあえず、毎日10キロ走れるくらいあれば序盤は問題ない」

と私は答えます。

 

 この基準が正しいかどうかは県警や人によるところもあると思いますが、ともかく、そのくらい運動をさせられます。

 

 しかし、警察学校を卒業し、交番に配属されると運動はさせられません。

 自主的に運動しない限りは動く機会はほぼありません。

 

 しかも、今の交番システム上、どうしても

【新人と退職間際の年配警察官】

と言う組み合わせになりがちです。

 

 長年動かない事に慣れてしまっており、しかも定年間際な警察官が積極的に行動すると思いますか?

 

 つまり、運動だけではなく、日常動作も少なくなってしまうんですね。

 常に一緒に行動しているのですから、若い新人警察官の日常動作も影響を受けますよね。

 

 

 

5、その他の不摂生

 他にも嗜好品として、とても不摂生な人が多いです。

 特に、酒・煙草

 

 私はどちらもしませんが、人によってはどちらもヘビーだったりします。

 勤務明けの日は毎回飲みに言っている人もいます。

 

 煙草は一日1箱消費くらいは少ない方だと思います。

 私は吸わないし、喫煙所にもいなかったので感覚ですが、恐らく一勤務中に2箱消費くらいが平均値くらいだと思います。

 

 勤務中でそれですので、休日はどうなのやら・・・

 

 

 

6、最後に

 最後の不摂生に関して私は酒・煙草を一切しませんが、それでも身長164センチで最高体重約80キロでした。

 

 もちろん、この最高体重を記録したのは交番にいる時です。

 余談で、今は平均体重です!

 

 こんな食生活と不摂生な生活です。

 

 当然と言えば当然ですが、

「交番の警察官は臭い」

と言われます。

 

 24時間勤務と言うこともそうですが、それよりもこのような不摂生や食事が一番の原因です。

 

 年配者になると内臓、特に肝臓を壊していたり、糖尿病だったりするため、物凄く臭いんですね。

 

 決して歯磨きや入浴、汗ふき、着替え等をしていないわけではないんですよ。

 私に一番パワハラをしてきた、この記事の上司も尋常じゃないくらい臭かったです。


www.policefuta.work

 

 私も自分自身の臭さを自分で感じるほどになってから危機感を覚えました。

 そこから体臭について調べて、色々と試しました。

 

 今は警察ではありませんが、一応夜勤明けでも

「良い匂い」

と言われるくらいに体臭の改善は出来ました。

 

 その際に実践した、今でもしている方法はこちらですので、興味のある貴方は併せてお読みください。

note.mu

 

「交番の警察官は太っていて臭い」

 このイメージは何とか払拭していただきたいですよね。

 

 

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警察官にとって最上級の皮肉・侮辱の言葉。

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1、「警察官らしい警察官」

 警察官にとって最上級の皮肉・侮辱の言葉とは

「警察官らしい警察官」

と言う言葉です。

 

 この言葉を最も言われたくないと思っている警察官が多くいます。

 

 その理由を説明していきます。

 

 

 

2、世間が思う警察官らしい警察官

 世間の人が思う

【警察官らしい警察官】

とはどんな警察官でしょうか?

 

◎、市民一人一人に親切

◎、TPAをわきまえつつも、丁寧・笑顔で応対する

◎、細かい決まりより、人情、人間味を重視する

◎、検挙やノルマなんて気にしないで、市民のために尽力する。

◎、悪者には屈せず、戦闘力も強い

◎、正しいと思ったことのためなら、階級や上司に屈指ない

等々。

 

 人によって理想像は違うと思いますが、概ねこのような感じではないでしょうか?

 

 この意味で使われる

【警察官らしい警察官】

と言う言葉は最大の褒め言葉です。

 

 実際に私は現職時代には、このような警察官の実現を出来る限り実行していたつもりです。

 

 しかし、そのような警察官像を追い求めているとこうなります。 

www.policefuta.work

 

 

 

3、警察官にとっての【警察官らしい警察官】

 世間の思う【警察官らしい警察官】は理想像とも言えますので、褒め言葉だと私は思います。

 

 しかし、警察官が警察官に対して言う

「警察官らしい警察官」

これは最大の皮肉・侮辱の言葉で、そのような意図を持って発する言葉です。

 

 では警察官にとっての【警察官らしい警察官】とはどんな存在でしょうか。

◎、市民は基本的に検挙対象

◎、職質で検挙のためなら、横柄な態度も有り

◎、ノルマ至上主義

◎、特権意識を持って、常に強気。

◎、階級至上主義

◎、上記の性格なのに戦闘能力は低い

等々。

 

 これらのように、世間やかつての自分達が思っていた【警察官らしい警察官】とは大きくかけ離れています。

 

 そんな今の姿を皮肉る目的で発する言葉が

「警察官らしい警察官」

なので、最大の皮肉・侮辱なんです。

 

 他にも

「悪い意味で警察に染まったな」

と言う言葉も最大の皮肉です。

 

 

 

4、最後に

 もちろん、そのような事情を知っている者から、明らかな皮肉として発しないと侮辱にはなりません。

 

 そのため、この記事を読んだ警察のアンチ派の市民が警察官に対していきなり

「この警察官らしい警察官!」

と言っても褒め言葉として受け取られ得ます。

 

 

 もし、警察官に皮肉・侮辱として発するなら、明らかに横柄な態度を取られた時に

「貴方はいつから、そんな悪い意味での【警察官らしい警察官】になっちゃったんですか?」

のように淡々と冷静な口調で言うと、言われた警察官は思うところがあるかもしれません。

 

 

 

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警察と消防の仲が悪い理由はこれ!

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1、警察と消防の相性

 結論から言うと、組織としては特に仲が良いとも、悪いとも言えません。

 しかし、現場単位、地域単位では悪印象を持ち合っていることは多いです。

 

 その理由は恐らく、その組織としての目的の違いから、お互いの相性が悪いんだと思います。

 

 

<消防・救急の目的>

 消防や救急の目的は、火災や災害等から国民を守り、傷病者を適切に搬送することで公益を守ることです。

 

 

<警察の目的>

 警察の目的は、事故・犯罪の鎮圧や捜査等によって公益を守ることです。

 

 お互いに公益を守ることは同じなのですが、手段が違います。

 一つの現場に方法が違う者同士で、同時に対処に当たったら、どうなるでしょうか?

 どうしてもお互いに邪魔をし合うことは有り得ます。

 

 その方法の違いが往々として起きやすいために、仲が悪い場面が生じます。

 具体的なケースを例にもっと詳しく見て行きましょう。

 

 なお、私は警察経験しかないので、警察主観になりますので予めご了承下さい。

 

 

2、溺死現場

<消防の場合>

「人命第一!」

と言うことで、とにもかくにも救助を最優先に行動します。

 

 溺死現場と言いましたが、沈んでいる状態ではまだ亡くなっているかどうか100%の判断は出来ません。

 

 引き上げて見ないことには何とも言えません。

 もし、外から見ても明らかに亡くなっているとしても、警察よりも救助・引き上げ能力は高いので良心で警察を手伝ってくれることも多いです。

 

 溺死体を引き上げるのはとても大変なので、それを良心で助けてくれるなんて、一見警察が怒る理由なんてないように感じますよね?

 

 しかし、ここで方法の違いによるイザコザが起きるんです。

 

 

<警察の場合>

 警察は溺死体等、医師の管理の基にない変死体が出た場合、目線は救助ではなく捜査となります。

 

 まだ事件性があるか、ないかは分かりませんので、変死体を検視して判断します。

 そのため、検視が終わるまでは事件性があるものとして動きます。

 つまり、殺害した犯人がいる前提で行動するわけですね。

 

 さて、犯人を捕まえる捜査の上で最初に重要な事は何でしょうか?

 刑事ドラマ等が好きな人は分かると思います。

 

 そうです。

 現場保存です。

 

 現場を極力そのまま保存し、鑑識等適切なスキルを持った者が犯人に繋がる証拠を採取することがとても重要になります。

 

 

<優先順位>

 少し不快に感じる人もいるかもしれませんが、法的には死者に人権はありません。

 そのため、公益をより守ると言う目的のためには、変死体を蔑ろにしてでも生きている人を守ることの方が重要です。

 

 つまり、溺死体を早く引き上げることよりも、事件性の有無を判断し、事件性があれば早く犯人を捕まえる方が、生きている人の不安な気持ちを解消できるので、公益が高いわけです。

 

 ここで既に消防と警察とでは大きな違いが生じていますよね?

 

 消防は、兎にも角にも引き上げ・救助が最優先。

 警察は、捜査のために現場保存が最優先。

 

 どちらも公益を守ると言う同じ目的のハズですが、このように優先順位がズレるんですね。

 するとどうなるでしょうか?

 

 

<警察の意見・態度>

「消防!何やってんだ!何の配慮もしないでズカズカと踏み込んで現場を壊すな!邪魔すんじゃねぇ!」

となります。

 

 実際に刑事さんによってはこのように怒鳴り付けます。

 先ほども言いましたが、警察は目線が捜査になっています。

 

 犯罪現場で証拠を破壊しないように行動するスキルを持っていない消防が救助優先で踏み入ると、証拠保全と言う意味合いでは最悪の状態になります。

 

 最も犯人が証拠を残しているであろう場所の上を消防も動くので、もし殺人等の犯罪だった場合、消防のせいで犯人の証拠が失われると言っても過言ではありません。

 

 

<消防・救急の意見>

「引き上げて生存確認をしないと100%亡くなっているとは言い切れないだろう!」

「外形上明らかに亡くなっている場合、消防の仕事じゃないのに、警察のためにと思って引き上げる手伝いをしているのに、なんだその態度は!」

となります。

 

 この言い分もわかりますよね。

 救助最優先なのですからね。

 

 言っていませんでしたが、消防・救急は明らかに亡くなっている場合は救助ではなくなるので、本来はそのまま何もせずに警察に引き継ぎます。

 要は、死亡している場合は消防・救急の仕事じゃないんですね。

 

 それを良心で手伝っているのに、

「邪魔すんな!」

と怒鳴られるわけです。

 

 イラっとして当然ですよね。

 公益と言う目的では確かに警察の言い分の方が近いと思います。

 しかし、人としての心情的には消防の感情の方が理解できますよね。

 

 

<個人的な感想>

 一番イザコザが多い溺死現場を例にしましたが、このようなやり取りがシバシバ発生します。

 そのため、最初にも言った通り、組織としては特に仲が悪いと言うことはなくても、現場単位、地域単位では仲が悪い事が多いわけです。

 

 私的には、この現場単位のイザコザに関しては警察がもっと配慮をすべきかと思います。

 まず、既に消防が入って活動しているわけで、そこから退去させたところで大差ありません。

 

 それに、善意で手伝ってくれていることは分かっているのですから怒鳴る必要はないですよね。

「あとは警察がやります。事件性を見るのでここは通らないようにお願いしますね。」

で良いわけです。

 

 余談ですが、消防・救急が証拠保全スキルを身に付けて現場内を行動できたら最強だと思います。

 

 

3、緊急通報

<緊急通報>

 消防・救急も、警察も、どちらも緊急通報が出来ます。

 

 消防・救急は119番。

(緊急じゃないことや相談は#7119番

 

 警察は110番。

(緊急じゃないことや相談は#9110番

ですね。

 

 どちらも緊急時の専用回線になります。

 消防・救急なら、火事、意識消失レベルの急傷病人等。

 警察なら、犯人に追われている、殺されそう等。

 

 

<緊急じゃない通報>

 しかし、どちらも緊急じゃないことでの通報に悩まされています。

 消防・救急なら、

「酔って一人で帰れないから救急車で送って」

「料理を作っていたら指を切っちゃった」

等。

 

 警察なら、

「自動販売機のお釣りが出てこないんですけど」

「10年前にイジメられていたことを思い出してイライラします」

等。

 

 これらは実際にある通報内容です。

 そのせいで本当に緊急な通報が繋がらず、命を落とす人がいるかもしれないと思うと切なすぎますね。

 

 

<勘違いや回復>

 そんな中、通報時には本当に緊急だったけれど、勘違いだったり、急傷病人の状態が回復することもあります。

 

 消防・救急であれば、通報時は本当に意識を失っていたけれど、救急隊が到着するまでに回復し、意識を取り戻すことはあります。

 

 警察であれば、

「事件だ!」

と大慌てで通報したけれど、勘違いで事件じゃなかったなんてこともよくあります。

 

 

4、態度の違い

 このように、通報時点では緊急でも、到着時点では緊急じゃなかった場合。

 

 通報者に対して、消防・救急と警察とでは態度に大きな違いがあります。

 ただし、全てとは言いません。

 あくまでも私が経験したり、知っている範囲での傾向の話です。

 

 

<消防・救急の場合>

 高齢者施設等から通報することが多くあります。

 その際、通報時には医師や看護師の指示で救急要請します。

 

 しかし、消防・救急が到着するまでに介護士等の応急措置が功を奏して意識を取り戻すことが多くあります。

 

 すると救急隊の多くは

「こんなことで救急要請するなよ。」

「また○○施設かよ」

等の悪態を付きます。

 

 言葉にしなくても明らかに態度が変わります。

 

 そのような態度を救急隊から何度も、何度もされるので、医師から

「救急要請しましょう!」

と指示を受けても現場は、

「・・・でもこのくらいなら、もしかしたら」

と躊躇するようになります。

 

 命や後遺症の観点から、秒を争う緊急時のこの躊躇は致命的です。

 しかし、それをさせているのは紛れもなく、このようなケースでの救急隊の態度です。

 

 普段救急隊がそのような態度をするせいで通報に少しの時間躊躇したとします。

 そのため通報までに数分掛かり、到着までに回復しない状態の場合

「なんでもっと早く通報をしない!普段から下らないことで簡単に通報してくるくせに」

と言ってきます。

 

 何故即通報しないか?

 それは貴方達の普段からの態度が悪いせいです。

 貴方達の普段の態度が悪いせいで、躊躇するんです。

 

 

<警察の場合>

 普段キチンと施錠して出掛ける人が帰宅すると玄関が開いていた。

 本当は無施錠のまま出掛けていたけれど、

「そんなことは有り得ない!」

と思い込んでいるので、勘違いから110番通報。

 

 このようなケースは多くあります。

 

 警察が到着する前に勘違いに気付き、警察が到着すると通報者は

「すみません。勘違いでした。本当にすみません」

と謝ります。

 

 このようなケースで警察の多くはこう言います。

「良かった」

と。

 

 多くの通報者は

「え!?」

と言う顔をします。

 

 緊急の回線を勘違いで使ってしまい、警察に無駄足を踏ませてしまったと感じているので、怒られると思っているんですよね。

 

 しかし、そこで警察から言われる言葉が

「良かった」

なので、混乱と共に、何が良かったのか理解できないので止まってしまうんですよね。

 

 警察が何を思って良かったと言うのか?

 私なんかはこのように説明していました。

 

「それは勘違いで良かった。勘違いと言うことは、実際には被害に遭っていないと言うことですよね?犯罪に遭っていなくて良かったじゃないですか。」

 

 これで言われた相手がどのように感じていたのかまでは知りませんが、最低でも今後本当に緊急の事態のときに通報を躊躇することはなくなりますよね。

 

 どの程度の警察官が本心からこの言葉を言っているのかは知りません。

 しかし、表向きだけでもこの言葉を言う警察官は多いです。

 

 もしも、そこで

「勘違いとかふざけるな!キチンと確認してから通報しろ」

なんて言われたら怖くて、もう通報できませんよね。

 

 テレビなんかでも

「本当に緊急の時には躊躇せず通報して下さい。」

と発信する以上は、現場単位でこのような配慮は絶対的に必要だと思います。

 

 その面で救急の態度は最悪です。

 

 

5、最後に

 消防側の部分は険悪な現場を多く見て来て、

「自分が消防側だったら」

で書いています。

 

 そのため、何か険悪になる理由が別にある可能性もあります。

 

 更に、緊急通報が勘違い等だった場合の態度の違いは私の経験上の話なので、現場や地域ごとの違い、人による違いも当然あると思います。

 

 私個人的には、取り締まりや職質等でしか関わっていない人にとって

【警察は悪、消防・救急は頼りになる】

 

 このような傾向にあるようですが、緊急通報等の緊急時の態度は警察の方が優しく、後のことも考えていると思います。

 

 しかし、多くの人は緊急通報自体を経験することがほとんどないでしょうから、この印象の違いは仕方がないことなのかもしれませんね。

 

 

 

【記事の紹介・拡散について】

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職務質問をすることを警察官はどう思っているの?

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はじめに

 職務質問についての法令解釈記事を書いています。

 

www.policefuta.work

 

 とても多くの人に読んでいただいているのですが、少し残念なことに、キチンと記事の内容を読まずに、内容を理解されない方が多くいらっしゃるようです。

 

 

 ただの法令解釈であって、私は別に警察擁護や職務質問推奨をしているわけではありません。

 しかし、そのように私の考えまで勝手に決めつけられてしまうのがとても悲しく思います。

 

 そこで、私と、私が知る限りの警察官の話限定ですが、警察官が職務質問を行う際にどのようなことを考え、どのように思っているのか?

 本音で語ります。

 

 

 

1、職務質問に対する世間の声

 職務質問とは、簡単に言うと、

【何か犯罪を犯していると思われる者、又は犯罪について何か知っていると思われる者を停止させて、質問することができる警察官の職務上の権限】

です。

 

 たまに勘違いする人がいますが、職業を質問する権限ではありませんよ!

 この更に詳しい事に関しては先程も紹介した記事を読んで下さい。

 

 これに対して世間の声の多くは

「職務質問って任意なんでしょ?なら断る」

「どうせノルマがあるんでしょ?だから協力しない」

「職質うざい」

「職質する時の警察の本音は、よしよしカモが来た!ノルマ達成!でしょ?」

等々。

 

 要は職質はウザい行為で、ノルマ達成のための行為で、市民をカモと思いながらウキウキして行っている行為。

 

 世間は職質をする警察官に対してこのように思っているようですね。

 

 ハッキリと言い切りますが、全く違います。

 ノルマに関しては既に記事を書いていますので、こちらをお読みください。

 www.policefuta.work

 

 

 

2、職務質問をする時の警察官の本音

 では、世間の声がいかに違うのかをこれから語っていきます。

 

 とはいえ、警察官にも様々な人がいます、

 一律に

「皆このように思っている!」

とは言えません。

 

 そのため、幾つかタイプ別に分けます。

 

 

<普通の警察官>

「怪しいかな?くらいの部分があれば職質するかな」

概ねこのくらいの感覚です。

 

「怪しいかな?」

くらいの部分とは、具体的に言うと、

【自転車の元々の施錠設備がない自転車に乗っている】

くらいの状態ですね。

 

 このような 別買いのワイヤーロックを持っているかどうかは関係ありません。

 

「施錠設備ならあるじゃん」

と別買いのワイヤーロックを見せてくる人がいるのですが、怪しいのはそれを持っているか、持っていないかではありません。

 

 この辺りについての詳細はこちらの記事をお読みください。www.policefuta.work

 

 

<職質苦手な警察官>

「嫌だなぁ~声掛けたくないな。どう言って停止を求めようかな」

 私が新人の時はこのタイプでした。

 

 要はこちらが相手を疑う行為なので、最初から相手は不快で警戒心を持っています。

 それがわかるので、何て声を掛ければ良いのかわからず、嫌で嫌で仕方がないんですね。

 

 態度は横柄じゃないけれど、

「なんで私は職質されたんですか?」

と聞いても明確に説明しないまま、変に誤魔化したり、聞こえない振りをして職質を続ける警察官はいませんか?

 

 それは恐らくこのタイプです。

 慣れていれば変に隠さず、怪しいと感じた部分をキチンと説明して協力をしてもらえば良いだけです。

 

 しかし、職質が苦手で嫌いな警察官は理由説明を言って良いのか判断が付かないまま停止させているので、説明しないで誤魔化そうとするんですね。

 

 要は職質のやり方が自分の中で定まっていない上に、感情的に嫌いだからそうなるんですね。

 

 

<職質好きな警察官>

 このタイプにも幾つか違うタイプがいるのですが、横柄な態度をするのはこのタイプです。

 

 私は職質好きな警察官が嫌いでしたし、考え方が合わずに対立していた経験もあります。

 

【喧嘩が好き】

 このタイプは他の警察官からも

「変人。」

「こいつに目を付けられた市民は可哀想」

と言われているタイプです。

 

 とにかく、理不尽な吹っ掛けでも何でもします。

 市民が激怒し、歯向ってくるのを心の中で嘲笑うのが大好きなんですね。

 

 そのため、わざとドンドン怒るように煽ります。

 このタイプは交通取り締まり等では

◎、停止線を1センチ越えていた

◎、速度を1キロ以上オーバーしていた

なんてことでも検挙します。

 

 普通はそんなことはしませんし、交通課も

「そんな取り締まりは止めてくれ」

と嘆くほどです。

 

 

【警察の権限に従え】

 自動車警ら隊や機動捜査隊、それらの出身者の一部にいる人達です。

 誤解がないように言っておきますが、彼らの大半はキチンとした紳士的な職務質問をします。

 

 しかし、あくまでも一部ですが、確実に存在します。

 私が対立していたのはこの連中です。

 

「市民=何かしらやってる犯罪者」

「協力者=攻略が難しい何とかして検挙したい検挙目標」

「非協力的な人=ゴミ。世間に見られなければ何をしても良い対象」

「市民は権限に従え」

概ねこんな感覚を持っている警察官ですね。

 

 異動によってこのような連中が上司になり仕事をしていた時期があります。

 その時の内容はこちら。
www.policefuta.work

 

 

 

3、最後に

 全体的に見ていただければ分かると思いますが、基本的に警察官は職務質問を積極的にしたいとは思っていないんですね。

 

 普通の警察官も怪しい部分がないと基本的には職務質問はしたくないんですからね。

 

 職務質問をやりたいと思っているのは、一部の好戦的な【輩(やから)】と呼ばれるような警察官だけです。

 

 あとは、自分では職質をしない上の立場の人間も

「職質!職質!」

と口だけ言いますね。

 

 大半の警察官は職質が好きではないので、やらされている感を持っています。

 

 だから、市民から推測による変な言いがかりをつけられたり、反抗的な態度をされると余計にイライラしたり、ムキになりやすいんですね。

 

 警察官も人間ですから。

 

 

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【警察官の知り合い】に対して特別待遇はあるのか?

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1、警察官の知り合い

何か問題やトラブル・イジメ等が発生すると、このように発言する人がいます。

 

「知り合いに警察官がいるから動いてもらう」

「親が警察官だから覚悟しろよ」

 

 知人や近しいところに警察官がいるため、特別に動いてもらうと考えるようです。

 

 今回は、果たしてこの発言通りに事は運ぶのか?についてです。

 

 最初に結論を言ってしまうと、

知人の警察官は動けません。

 

 

2、警察の管轄

 警察には権限を行使できる場所的制限、要は管轄があります。

 

 その管轄の外の地域で発生した事案に対しては権限を行使できません。

 つまり警察官としては動けません。

 

 そして、警察官は身近な人物に対して特別な優遇を行えないように、親族等がいる地域からは外されます。

 

 つまり、親族等がいない管轄の警察署にしか勤務出来ないわけですね。

 

 このことからもわかるように、身近な存在の警察官に何かを依頼しても住んでいる地域でのトラブルに対しては動けません。

 

 

3、管轄内で発生の場合

 管轄を外されるのはあくまでも、

【住んでいる場所】

です。

 

 そのため、勤務先とか、学校等が住んでいる地域と違う地域にあり、身近な警察官がそちら側を管轄している警察署に勤めている場合は、管轄的には動き得ます。

 

 しかし、そのような特別な関係がある場合、通常は捜査から外されます。

 

 警察官が事件の被害者や被疑者と近しい場合、当人同士が意識していなくても賄賂とか、利益供与になってしまう可能性があるためです。

 

 そうなってしまうと、法的に罰せられたり、事件そのものが崩壊します。

 

 そのため、トラブルや事件に対して、身近な友人とか家族が警察官だとしても、彼らは貴方のために動く事は出来ません。

 

 

4、最後に

「知り合いに警察官がいるから」

「親が警察官だから」

 これは威を借る狐、その立場を利用しているだけで、何も中身を知らない人物だと思います。

 

 知り合いだから、親族だからこそ、警察は動けないんです。

 

 このことを知っている人は、こんな発言は絶対にしませんから、ちょっと恥ずかしい発言かもしれませんね。

 

 

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