社交辞令は守らなければならない契約! 無視すると裁判にも!?
1、社交辞令
人との別れ際に
「また今度ご飯でも行きましょうね!それでは失礼します。」
こんなことを言って別れることはありませんか?
そうです、いわゆる
【社交辞令】
と言うやつです。
日本では時に、この言葉に一喜一憂することまで含めて文化のようになっています。
2、社交辞令を相手が本気にしてきた!
ここで良く耳にするのが
「社交辞令で言ったことを相手が本気にしてきて困った」
です。
自分としてはその気はなく、単なる挨拶のつもりで言っただけの社交辞令。
相手が本気にしてきた場合は、
「あれは社交辞令だから」
と断りますか?
そもそもこれって
「困った」
だけで済む問題なのでしょうか?
実はこの
【社交辞令】
に関して、法律に決まりが存在します!!!
3、心裡留保(しんりりゅうほ)
社交辞令は、本人の本心ではその気はないけれど、挨拶とか習慣として
「またご飯に行きましょうね」
のようなことを発します。
このように、自分で本意ではないことを知りつつも、本意とは違うことを言葉等で相手に伝える行為のことを
【心裡留保(しんりりゅうほ)】
と呼びます。
わざわざこのような言葉まで存在するくらいですので、当然社交辞令を信じちゃった相手との間に法律は介入します!
4、民法93条
【意思表示者は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする】
条文を載せると
「何言っているのかわからない」
ですね。
そこで簡単に言うと
「社交辞令(心裡留保)は法的に契約として成立します!ただし相手が社交辞令だと知っていれば成立しませんよ」
と言うことを言っています。
この法律はトラブル等が合った場合に誰かを保護するためのモノです。
そこで、この場合、デマカセを言った人より、デマカセを信じた人を保護すべきと言う趣旨です。
つまり社交辞令で
「今度食事にでも行きましょう!」
を相手が信じた場合は、食事に行かなければなりません。
そのような契約が成立しているからです。
契約ですので、それを実行しなければ違約行為ですので、当然損害賠償や民事訴訟等の問題になり得ると言うことです。
5、社交辞令以外の例
今回はあくまで社交辞令を例にしているので
「そんなことくらいで法律を持ち出すとかやり過ぎ!」
と思うかもしれません。
しかし、これが社交辞令で言うような食事程度のことではなく、宝石とか、土地とか高額な物の場合だったらどうですか?
「宝石を大量にもらえると聞いて、仕事を辞めて宝石店をもう建て始めちゃったよ!」
こんなことになっても
「そんなこと、信じた方が悪い!」
と言えますか?
本人としてはそう言いたいでしょうけれど、相手としては何千万円以上もの損失ですのでそれでは済まない問題です。
だから法律は相手を保護するんです。
デマカセ、要は嘘をついている人間が悪いと言うことです。
ただし、相手もデマカセ、嘘だと最初から知っているなら保護する必要はないので、その契約は無効です。
6、最後に
いかがでしたか?
このように社交辞令はレッキとした法律問題だったんですね。
「社交辞令は挨拶でしょうよ!信じるなよ!」
と考えている人はご注意ください!
社交辞令は挨拶ではなく、法的に認められた正式な契約行為です!
ちなみに、契約行為は契約書等の書類は不要です。
契約書は後に
「言った、言わない」
の問題になった時に証明するための書類というだけです。
契約自体は口頭の意思の合致で成立します!
私はそもそも社交辞令を言えない人ですが、社交辞令を言う人は頭の片隅に入れておいて下さい!
このような法律を独学で勉強してみたい人はこちらの記事も併せてどうぞ。
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