元警察本部警察官が教えます!

元警察本部警察官の管理人が警察についてあれこれ書いています。他にも法律、裁判、福祉等についても少々!

警察官に見られる独特なハンコの押し方の癖

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1、判子の押し方の癖

 今回はとてもマニアックな内容ですが、警察官の判子の押し方の癖についてです。

 

 私も未だに警察時代の押印(おういん)の癖が出てしまうのですが、警察官には一般の人とは違う押印の癖があります。

 

 今回はそのことについての記事です。

 

 

2、一般的な押印方法

 このように記名押印の枠があるとします。

 貴方ならどのように印鑑を押しますか?

 

 恐らく普通の人はこのように押すと思います。

 だって、印鑑を押す場所として【印】と書いてあるのですから、当然ですよね?

 

 しかし警察官は違うんです。

 

 

3、警察官の押印方法

 警察官はこのように押印します。

 【印】のマークがある書類でも必ず氏名の最後の文字に被せて押印します。

 これは司法書類や契約書等における判子の押し方になります。

 

 そのため警察官に限らず、行政書士や弁護士等の法律家もこのような癖があると思います。

 

 

4、この押印方法の意味

 それは印影の複製をさせないため。

 つまり偽造防止のためです。

 

 印鑑だけを独立させて押しているとその部分だけをコピーして、複製されてしまうリスクがあります。

 それをさせないために、わざと氏名に被せてそれをし難くしているわけです。

 

 だから司法書類や契約書等の重要な書類ほど、この押印方法が取られるわけです。

 

 なお、

【押印(おういん)】と【捺印(なついん)】

等、似た言葉がありますが、この二つに特別な意味の違いはありません。

 

 ただし、

【署名】と【記名】

には少し違いがあります。

 

 署名は、本人がペン等を使って書く氏名です。

 記名は、パソコンやシャチハタ等でもオッケーな氏名です。

 今回は例示の氏名をパソコンで打っているので【記名】としていましたよね。

 

 

5、最後に

 私は退職して10年以上経つ今でも、無意識に押印をするとこの方法をしてしまいます。

 

 別に重要じゃない、職場の内部的な書類でも意識して押印しないと氏名に被せてしまい、いつも相手に

「???」

と言う顔をされます。

 

 普通の感覚としては

「印鑑を押す場所があるのに、何でわざわざここを外して氏名の上に押すの?」

と感じるわけですね。

 

 一時期【お辞儀判子】なんて下らない風習が話題になりましたが、そのような悪習によるものではありません。

 これはあくまでも、証拠・信頼性の関係での押印方法ですので。

 

 なお、お辞儀判子と言うのは、内部の閲覧用書類等で目上の人の押印場所に対して、下の立場の者がお辞儀をするように押印しなければならない風習です。

 

 ちょっとペイントで上手に画像を作れないので、

【お辞儀判子】

で検索して下さい。

 分かりやすい画像が即見つかりますので。

 

 上下関係が厳しいと言われている警察組織ですらお辞儀判子なんて風習は存在しないのに、この悪習が残っている組織は何なんでしょうね?

 

 ともかく、書類への押印で今回紹介したような氏名に印鑑を被せて押印をする者がいたら警察関係者か法律関係者かもしれませんよ!

 

 

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