刑事ドラマの誤り。【白手袋は現場保存に向かない】と言う事実。
- 1、刑事ドラマ
- 2、事件現場での白手
- 3、白手の目的
- <犯人の指紋>
- <白手をしているとどうなる?>
- <白手は捜査を邪魔しないために使う>
- 4、使っている白手
- <支給品>
- <鑑識官が現場で使っている白手>
- 5、最後に
- 【記事の紹介・拡散について】
1、刑事ドラマ
私は刑事ドラマを基本的に見ません。
何故なら、ストーリーよりも
「いやいや、ここのこれは有り得ないでしょう」
と実際の現場との細かい違いが気になってしまい、楽しめないからです。
特に違和感が多いのは捜査過程よりも事件発生時の対応、いわゆる初動捜査の場面です。
一番違和感があるのは鑑識が活動している最中に刑事が現場に入ってしまうこと。
あれは有り得ませんね。
今回はこのような実際とは違う部分を一つ記事にしてみました!
2、事件現場での白手
見た目は子供頭脳は大人の名探偵でも、東大卒の紅茶好きな変わり者警部でも、レインボーブリッジを封鎖出来ないのでも。
何でも良いのですが、事件現場では白い手袋をしていると思います。
最初に言ったように、基本的に刑事ドラマ等は見ないので、本当にこれらのアニメ・ドラマ内でしているかは知りませんが・・・
ともかく、事件現場で証拠を破壊しないように白手をする演出がありますよね。
あれは本物の事件現場でも実際にします。
それは合っています。
しかし、実はその目的は事件現場で証拠を破壊しないようにする目的ではありません。
この辺り、実は現職の警察官でも勘違いしている人がいます。
重要なのでもう一度言っておきます。
白手は事件の証拠を破壊しないように装着しているわけではありません。
3、白手の目的
<犯人の指紋>
事件の証拠とは、もう少し具体的に言います。
白手で意識している事件現場に残されているであろう証拠とは、犯人の指紋です。
つまりドラマ等で事件現場で白手をしているのは
【犯人の指紋を壊さないため】
ですね。
しかし先程も言ったように実際は違います。
実際の目的は
【自分の指紋を残さないため】
です。
「ほぼ同じじゃん」
と感じる人も多いかと思いますが、全然違います。
<白手をしているとどうなる?>
犯人の指紋の上から自分の指紋が乗っかると照合不可能になります。
つまり犯人の指紋が破壊され、証拠を壊したことになります。
これは一見、
【自分の指紋を残さない=現場を破壊しない】
と、同じ目的に見えます。
しかし違うんですね。
それを説明するために、次は少し視点を変えてこれを考えて下さい。
白手を装着して犯人の指紋の上から触ったらどうなるでしょうか?
実はそれも同じ結果になります。
つまり、犯人の指紋が壊れます。
壊れ方が違うだけで、白手をしていても犯人の指紋は破壊されてしまうんですね。
それでは現場保存目的とは言えませんよね。
<白手は捜査を邪魔しないために使う>
指紋とは、手指から分泌されている脂が付着したモノを見ています。
ただの脂成分ですので、白手をしていようと、していなかろうと触れば壊れるんです。
素手で触ると、犯人の指紋を壊すだけではなく、事件に関係ない者の指紋も照合する必要が出てきてしまうんです。
つまり、無駄な照合作業を増やすことになり、捜査を遅延させるほど邪魔になるんですよね。
だから余計な仕事を増やさないためにも白手をするんです。
そのため、白手をしていても極力現場の物を触ってはいけないんです。
刑事ドラマ等で
「白手をしていれば何でも触って良い」
みたいな風潮は誤りなんですね。
もう一度言いますが、白手をしていても指紋は破壊されます。
白手は証拠を壊さない目的ではなく、自分の指紋を残さないことが目的。
この違いは結構大きいのが何となく分かっていただけましたかね?
4、使っている白手
<支給品>
刑事ドラマ等の誤りとは関係ないのですが、たまに
「刑事さんや鑑識の人が使っている白手ってどこで買えるの?」
と言う疑問を持っている方がいるので、そのことについても少し書いておきます。
基本的に買えません。
あれは支給品ですので全く同じ物が欲しければ警察官になるしかありません。
<鑑識官が現場で使っている白手>
しかし類似品や、消耗品として使っている白手なら購入可能です。
類似の白手は100円均一でも、ネット通販でも買えます。
ナイロン製の白手です。
白手が消耗品として大量に必要な鑑識官は支給品の白手は儀式用にとっておく傾向にあります。
そして日常使いの白手は自腹で買った物を使いますので、これなら同じ物を買えます。
勿論どこで、どれを買って使っているのかは人によりますが、私はワークマンで、10枚400円くらいの綿製の白手を使っていました。
こんな感じの白手です。
5、最後に
刑事ドラマと実際の違いについての記事を今後も増やしていくかどうかは気分次第です。
何度も言いますが、そもそも私は刑事ドラマを基本的に見ませんので、刑事ドラマがどんなことをしているのかに詳しくありません。
そのため記事を希望されても増やせるかも分かりません。
それでも、もしこの記事を読んでしまった貴方は、今後私と同じように
「ここは実際と違うんだよなぁ~」
ばかり気になり、今までのように刑事ドラマをエンターテイメントとして楽しめなくなるかもしれませんよ!
そのことについて私は一切の責任を負いませんのでご了承くださいね!
【記事の紹介・拡散について】
友人やネットの掲示板等に記事を紹介してくれる方がいらっしゃるようです。
本記事は無断でも紹介可な記事です。
読者登録をしていただくと更新記事等が読みやすいと思いますので、是非ご検討下さい。
これからも宜しくお願いします。