元警察本部警察官が教えます!

元警察本部警察官の管理人が警察についてあれこれ書いています。他にも法律、裁判、福祉等についても少々!

警察学校卒業後のオススメ警察署

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1、警察官の異動

 警察官は年に2回、春と秋に異動があります。

 

 警察学校の卒業時期もこの異動時期に合わされており、

【警察学校の卒業=異動】

と言う扱いになります。

 

 警察は異動前に希望部署、希望警察署等の申告をしなければなりません。

【申告できる】

ではなく、

【申告しないといけない】

です。

 

 しかし、

「警察学校卒業でどの警察署希望なんて分からないよ」

と言う人がほとんどだと思います。

 

 そこで、本記事では、警察学校卒業後に配属される警察署のオススメをご紹介します。

 

 もちろん希望する警察署があるならそれを優先して良いと思います。

 あくまでも希望警察署がない人向けのオススメです!

 

 

2、警察学校に近い警察署

 警察学校に近い警察署のメリットは何と言っても、警察学校入校時に楽なことです。

 

「卒業してからの警察署なのに、警察学校に入校するのが楽?どう言うこと?」

と思った人がいるかもしれません。

 その説明をします。

 

<初任補習科(総合科)>

 一般的に

「警察学校を卒業!」

と言うのは

【警察学校初任科】

の卒業を指します。

 

 しかし、実際にはその時点で基礎的な訓練・教育の全部は終わっていません。

 残りの訓練・教育を受けるため、その数ヵ月後に再度入校します。

 初任補習科(総合科)と言います。

 

 初任補習科を卒業して警察学校での初任教育の全過程が終了になります。

 そのため、ここまでは全員必ず卒業しないといけません。

 

「マジで!半年、10ヶ月の警察学校だけでも耐えられるか不安なのに・・・その後もまだあるの?」

と言う、警察学校入校前の不安な感情で読んでいる人は絶望しないで下さい。

 噂に聞くような厳しい環境は最初の初任科の時だけですので。

 

 この初任補習科は、ヘマをしたり、先輩風を吹かせるような横柄な態度をしたりしない限り怒鳴られることはまずありません。

 

 携帯電話を持ち込めますし、平日でも使うことができます。

 この時点で所属は警察学校ではなく警察署ですので、緊急の場合の連絡手段等は必要ですからね。

 

 

<専科>

 初任補習科までが基礎的な訓練・教育です。

 そのため当然基礎じゃない、専門的な訓練や教育もあります。

 それを専科(せんか)と呼びます。

 

 これはどの専門教育を受けるかによって場所が変わることもあるのですが、基本的には警察学校に入校します。

 

 専科についてはこちらの記事を読んでいただいた方がイメージが掴みやすいと思いますので、併せてお読みください。

 

www.policefuta.work

 

 専科は基本的に怒鳴られることはありません。

 専科を受講するのは現職の警察官で、新人ではありません。

 

 そのため、専科によっては生徒の中に教官の先輩がいるなんて現象も起き得ますからね。

 恐らく教官の方が気を遣うと思います。

 

 

 このように警察官でいる以上は警察学校へ入校する機会は必ず何度も訪れます。

「刑事や鑑識官、白バイ隊員になりたい!」

なんて希望部署があるなら絶対に警察学校には入校します。

 

 そのため、通いになろうと、入寮になろうと、どちらでも警察学校に近い警察署はお得なんです。

 

 私個人の経験から言わせていただくと、鑑識希望者は特に重要です!

 鑑識専科ではラッシュ時間帯に精密で大きな荷物を持ち運ぶことになりますので、遠い警察署からだと凄く大変です。

 

 

3、免許センターに近い警察署

<警察は免許だけでは運転許可が出ない>

 警察官は警察学校で必ず普通自動二輪(小型限定)の教習所に通わされます。

 そのため普通自動二輪免許を持っていない人は、警察学校卒業後に免許センターへ行き、免許発行をしてもらう必要があります。

 

 これだけの理由だと

「私は普通車免許も、普通自動二輪免許も持っているから関係ないかな?」

と思う人もいるかもしれません。

 

 しかし、どちらの免許を持っていても警察学校卒業後に免許センターへは行くことになります。

 

 その理由が、緊急車両運転技能検定試験(通称P検、パトカー検定)です。

 警察のパトカーは緊急走行が出来ます。

 緊急走行の仕方なんて普通の教習所で習いませんよね?

 そのため、普通の一般市民用の免許だけでは緊急走行は出来ません。

 

 緊急走行のための専用検定に合格しないといけないんです。

 更に、警察は免許を持っているだけでは公私共に車の運転許可が下りません。

 運転許可を出す条件として、このパトカー検定取得を条件にしている警察署が多いです。

 そのため、公私共に車の運転をするために、パトカー検定取得は急ぎたいところなんですね。

 

 そして、このパトカー検定試験会場が

【免許センター内と免許センター周辺の路上】

なんです。

 

 そしてパトカー検定は出来れば一発で最低基準を超えたいところなのですが、難易度が少しだけ高いので一発では最低基準を超えられない場合もあります。

 

 すると何度も免許センターに行かないといけないんです。

 後述しますが、時間も結構負担になる時間です。

 

 更に、路上走行が免許センター付近なので、近い警察署だと土地勘もあって有利なんですね。

 

 

<パトカー検定>

 警察官が公用車を運転するための検定試験。

 試験会場は、県内の免許センター内と、周辺路上。

 試験内容は、構内コースと、路上走行の技術検定のみ。

 試験時間は、免許センター終了後の夕方。

 

 級は

3級 緊急走行不可。公用車の運転のみ可

  免許センターで一発受験で合格するくらいの難易度

 

2級 警察官の同乗者がいれば緊急走行可

  一発合格よりも、安全かつ迅速な運転で合格

 

1級 単独で緊急走行可

  2級よりも、安全かつ迅速、丁寧な運転で合格。

  基本的にマイナスポイントがない

 

 

 3級では緊急走行ができないため、2級を取得するまでは何度も受け直すことになります。

 ただし、3級取得時点で、緊急走行しないなら公用車の運転は許可されます。

 

 緊急走行は警察本部でも、警察署でも、一発で分かるように管理されていますので、隠れては行えません。

 

 このパトカー検定に合格するまで何度も通う可能性が自身にあると思う貴方は是非免許センター付近の警察署を!

 

 私は免許取得が遅かった人なので、運転に自信がなく、これでかなり助かりましたよ!

 

 

4、最後に

 いかがでしたか?

 土地勘がない都道府県だと

「地名も分からないのに、希望って言われても!」

と悩みます。

 

 そんな時に、土地勘のある同期に相談すると

「忙しいと思う警察署はここ。暇な田舎警察はここ。」

のように教えられます。

 

 田舎だから暇と言う発想も安易なのですが、

「中心部の警察署と田舎の警察署」

これだけの情報で希望を考えろと言われても、それもそれで困ります。

 

 是非、私のオススメも参考に考えてみて下さい。

 

 

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